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14 July 2018
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 台湾人旅行客が日本で麻疹を発症し、4月末までに11人が罹患したとのニュースがGWの日本を震撼させました。この他、インドネシア、マカオ、タイに行った旅行者からも感染例が報告されています。4年前にはフィリピン、ラオス、ベトナムで集団感染事例がありました。麻疹は非常に伝染しやすく、重症化します。ワクチン接種が広く実施される1963年以前には定期的に集団感染を起こし、毎年推定260万人もの人々が麻疹が原因で死亡していました。現在でも麻疹に対する特異的な治療法はなく、症状に応じた対処療法しかありません。

ー麻疹の感染経路と感染力ー 

 麻疹は麻疹ウイルスによって起こる感染症で、人から人へ感染します。感染経路は飛沫感染、接触感染など様々です。

  感染力は極めて強く、麻疹の免疫がない100人の集団に1人の発症者がいたとすると、12〜14人の人が感染するとされています。ちなみに、インフルエンザでは1〜2人と言われています。不顕性感染(感染はしても発症はしない、つまり症状がでない)は殆どなく、感染した人の90%以上の人が発症します。発症した人が周囲に感染させる期間は、発疹が出現する3〜5日前から発症後4〜5日目くらいまでで、感染力が最も強いのは発症直直前です。

 

ー麻疹の症状ー

 ●潜伏期間;感染後、10〜12日間。発熱や咳などの症状が現れます。

   ↓

 ●カタル期;2〜3日。38℃前後の発熱や倦怠感、風邪症状に加え、結膜炎症状(充血、目やに、腫れ、痒み)などが現れます。

   ↓

 ●コプリック斑期;口の中に小さな白い斑点(コプリック斑)が現れます。

   ↓

 ●発疹期;コプリック斑は消失し、口腔内が赤くただれてきます。体温は一度下がりますが、再び39℃以上の高熱となり、耳、首、顎から出始め、翌日には顔、上半身から体中に発症が現れます。発疹が全身に広がるまで高熱が続きます。

   ↓

 ●回復期;発疹は3〜4日間続いた後徐々に消えていき、同時に解熱します。合併症がなければ7〜10日後には症状は軽快しますが、体力の回復には約1ヶ月程度を要します。

  

ー麻疹の予防ー

 ●予防接種

 ・1回のワクチン接種により麻疹の免疫ができる確率は約95%です。より確実に免疫をつけるために、2006年6月から麻疹、風疹の混合ワクチン(MRワクチン)の2回接種が推奨されています。免疫獲得に要する時間は予防接種後約2周間です。

 

 ●麻疹患者と接触した場合の対処

麻疹患者と接触した場合は、接触後72時間以内に予防接種を受ける、または免疫グロブリン療法を受けることで麻疹発症を防ぐことができる可能性があります。

 

ーおわりにー

 実際にカンボジアを含めた東南アジアのような予防接種率の低い地域では集団感染例が報告されています。これまでに麻疹に罹患したことがある人や、麻疹の予防接種を2回受けている人(麻疹、流行性耳下腺炎、風疹予防の三種混合ワクチン(MMR)、あるいは麻疹、風疹予防の二種混合ワクチン(MR)として接種されることが多い)は免疫を持っています。しかし、平成2年4月2日以前に生まれた方は1回しか定期ワクチン接種を受けていない場合が多いため、2回目の予防接種を推奨します。

  麻疹に対する抗体の有無は血液検査で確認することができます。麻疹は極めて伝染性の強いウイルス性疾病ですが、予防接種を受けることで感染を回避できます。

  日本とは異なる衛生下で自身とその家族の命を守っていく為にもこうした予防対策を行って行くことが重要です。予防接種やその他健康に対するご質問はどうぞお気軽にご連絡ください。

 

 カンボジア プノンペンフリーペーパー「プノンペンプレスネオ」に掲載していただきました。

 

Sun International Clinic 

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14 July 2018
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 死因はホットドッグ?

 2018年6月、カンボジアで食中毒の発生が相次ぎました。クラチェ州では11歳の少女が食中毒様症状を訴え、両親は少女を病院へ搬送しましたが、少女は回復することなく死亡。食中毒の原因は村で購入したホットドッグでした。また、同村では村人が汚染水を飲み100人以上が入院し、13人の死者が出ました。生活には欠かせない水や一見安全そうなホットドッグが誘因となったこれらのニュース。カンボジアで暮らす私たちはどんな方法で安全を守っていけばいいのでしょうか。

 

 

  • 食中毒とは

 食中毒とは有害な化学物質や毒素を含む飲食物を経口摂取し、下痢や嘔吐・発熱などの症状を呈する病気の総称です。因子や物質により細菌性食中毒、ウイルス性食中毒、科学性食中毒、自然毒性食中毒などに分類されます。一般的に高温多湿の環境下で細菌性中毒の発生件数が多くなります。食中毒のほとんどは細菌性食中毒で、ノロウイルスはその代表例です。食中毒で摂取するウイルスによってはA型肝炎、E型肝炎、ギランバレー症候群など重篤な疾患に罹患する場合があります。

 

  • 感染経路

 感染経路は汚染された飲食物を摂取することです。刺身やカットフルーツ、ローカル料理店での飲料水以外でも意外な感染源が私たちの周りには多く存在しています。おにぎりや寿司のシャリはその良い例で、調理者の手についた黄色ブドウ球菌が食物に付着し、増殖することで食中毒を引き起こします。クラチェ州で少女が亡くなった原因の食べ物となったホットドッグ。これはソーセージ内でボツリヌス菌が繁殖した、もしくは付着した細菌が増殖したことが原因ではないかと推測されます。ボツリヌス菌が繁殖するものの代表例としてはチーズなどの発酵食品、真空パック食品、瓶詰めの食品などが挙げられます。食材自体は新鮮であっても、調味料や香辛料、ドレッシングや油などが細菌の温床となり、食中毒の原因となる場合もあります。

 

  • 予防方法

1)食中毒を予防する三大原則

1-1清潔を保つ

…調理前後の手洗いや調理器具の洗浄。
1-2菌の増殖を防ぐ

…細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりになりマイナス15℃以下で増殖停止すると言われています。そのため、早急に食材を使い切る、調味料は冷蔵庫に入れる、高温多湿を避ける等が有効です。

 1-3殺菌する(加熱するなど)

…ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅します。一部の菌を除き、75℃以上1分の加熱で菌は死滅するため、食材を十分に加熱することが有効です。ふきんやまな板、調理器具にも細菌やウイルスは付着します。特に、肉や魚、卵を使用した器具は洗浄後に熱湯消毒したり、台所用殺菌剤の使用することも効果的です。

2)予防接種

 …食中毒の原因となる細菌やウイルスによってはA型肝炎、E型肝炎、腸チフス等を発症する場合があり、このうち、A型肝炎や腸チフスは予防接種が非常に効果的です。

  • 治療方法 

 予防策が万全であっても疲労などで免疫力が低くなると食中毒にかかりやすくなります。食中毒の初期症状は下痢や嘔気、嘔吐、発熱などです。特異的な治療法はなく、症状に応じた対症療法を行うことが一般的です。抗生物質は原因となる物質が細菌であれば使用しますが、ウイルスの場合は有効ではありません。安易な抗生物質の投与は耐性菌をつけてしまうため推奨できません。症状が激しく、水分摂取もままならないことは回復を遅延させ、頭痛やその他の症状を引き起こします。充分な飲水を行っているつもりでも、不感蒸泄や下痢、嘔吐により体は脱水状態に陥ってしまいます。そのため、体内の水分出納バランスを整えるための輸液加療を行うことも大切です。二次感染を起こさないために、細菌やウイルスが含まれている罹患者の吐物や便には直接触らず、除去した後にアルコール消毒を行いましょう。原因究明のための検査を行い、最適な治療を行うことが重要です。食中毒の初期症状を疑う場合は早めに病院を受診することを推奨します。その他、病気や予防方法について等ご質問があればお気軽にお問い合わせください。

 

プノンペン生活情報サイト「ポステ」に掲載していただきました。

https://poste-kh.com/life-tips/cambodia-foodpoisoning-2216

 

 

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14 July 2018
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デング熱、流行っています。

 

初発症状は発熱、発疹、頭痛、関節痛、嘔吐などです。

 

1.突然の高熱

デング熱の大きな特徴は突然始まる高熱です。感染後3~7日後に発症するとされています。蚊に刺された数日後に突然高熱がでた場合、デング熱の疑いがある言えます。

2.全身の痛み・だるさ

その後、全身が筋肉痛のような痛みが現れます。高熱の前後に全身の異常なだるさを感じ、それから、体がだんだん重くなって動くのが辛くなってきます。

3.皮膚の痒み・発疹

発熱の数日後に皮膚症状が現れます。発疹の度合いは様々ですが、皮膚の違和感やかゆみを伴なう事も多いようです。それが体中に広がってなかなか寝られません。

4.いろいろな症状

腹痛や頭痛、目の奥の痛み等様々な症状があらわれます。

 

高熱が突然出て、体中の痛みとだるさを感じ出したらすぐに病院・クリニックに行きましょう。血液検査ですぐにデング熱かどうかすぐわかります。

 

****************************************

デング熱とは、蚊を媒介として感染する伝染病です。

中南米の症例が圧倒的に多いのですが、東南アジア、オーストラリアでも発生しています。発熱期、重症期、回復期に分類されます。デング熱は感染から潜伏期間3~7日の後、発熱、発疹、頭痛、関節痛、嘔吐などの症状がおこります。

軽症の「デング熱」と、血小板減少と出血を伴う重症型デング(デング出血熱)とがあります。軽症でも皮下の点状出血や歯肉出血が現れることがありますが、通常は1週間ほどで後遺症なく改善します。

重症例になると、発症から3~6日後に肝障害や胸腹水が出現し、腹痛をきたします。同時に血小板が減少し、皮下出血、大量下血・生理出血から循環血液量の低下などが原因でショック状態になることがあります。

デング熱患者のうち重症型デングをおこす割合は1~5%とされています。

重症型デングはデング熱患者が解熱する時期に突然発症します。患者は興奮状態となり、発汗や四肢の冷感がみられます。さらに病状が進むと、重度の出血傾向(鼻出血、消化管出血など)やショック症状がみられます。なお、重症型デングとなった患者は重篤期が 24~48 時間つづき、この時期を乗り切ると 2~4 日の回復期を経て治癒します。

重症型デングを放置すれば致死率は 10~20%に達しますが、適切な治療を行うことで致死率は 1%未満に減少することができます。稀ですが、脳症、髄膜炎、多発性神経炎、ギラン・バレー症候群、心筋障害などを発症することもあります。

 

発疹、呼吸困難、息切れ、咳が続いている、意識がぼんやりとしている、内出血などの異常な出血がみられる、下痢が続いている、嘔吐が続く。こんな時には要注意です。

デング熱を発症すると通常は 1 週間前後の経過で回復します。

 ウイルスには 4 つの血清型があり、感染はこのウイルスを保有する蚊(ネッタイシマやヒトスジシマカ)の吸血時におこります。ヒトがデングウイルスに感染してもデング熱を発症する頻度は 10~50%です。一度かかると免疫ができますが、異なる型のデングウイルスに感染した場合は再発症します。デング熱患者が重症化する起点については、血清型の異なるウイルスの再感染によるという説が有力です。重症型デング熱の 90%以上が二次感染時におきています。しかし、三次、四次感染ではむしろ防御的に働き、重症化率は低下するようです。デング熱を媒介する蚊の活動時間は夜明け少し前から日暮れまでの間、特に朝と夕方ですが、室内にいる蚊は夜間でも刺すことがあります。

 

予防は、とにかく蚊にさされないようにすること。

デング熱の予防は、とにかく蚊にさされないようにすることです。長袖、長ズボンを着用して肌の露出を少なくし、特に朝夕の外出時は虫刺され防止薬を使用することが大切です。

 

治療は対症療法です。

デング熱の確定診断には血液からのウイルス分離やウイルス遺伝子の検出を行います。

最近は血液中のウイルス非構造タンパク抗原検出キットが開発されており、早期診断に有用です。

デングウイルスに有効な薬はなく、対症的な治療を行います。すなわち、水分補給や解熱剤(アセトアミノフエンなど)の投与を行います。アスピリンは出血傾向やアシドーシスを助長するため使用しません。

重症型デングをおこした患者については、循環血液量を改善させるための輸液を行います。赤血球、血小板低下時は輸血する場合もあります。

重症型デングの患者でも適切な治療を受けていれば、20%以上の致死率を1%未満に減少させることができます。

 

とにかく、デング熱を疑ったら、早めに医療機関を受診してください。

 

 

プノンペン生活情報サイト「ポステ」に掲載していただきました。

https://poste-kh.com/life-tips/dengue-fever-1501

 

 

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14 July 2018
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カンボジアの薬局は安心・安全!?

 ちょっとした体調不良。体はだるいけど、病院に行くほどでもないし、仕事や家事で時間もない。こんな時、あなたはどうしますか?日本では薬局で総合感冒薬等を購入して対処してきた方も多いのではないでしょうか。また、持病があって日本では常に薬を内服していた方はカンボジアではどうすればいいのか等、カンボジアの薬局と薬事情について紹介します。

 

1.日本とカンボジアでの薬剤入手経路

・日本での薬剤入手経路

・病院で処方(1)

・病院でもらった処方箋をもって薬局で調剤(1)

・薬局で購入(2)

 このうち(1)は薬理作用、副作用が(2)と比較して強いため医師の指示の元でしか入手できません。日本の薬局で購入できる薬は薬理作用や副作用ともに緩やかで使用方法もわかりやすいものになっています。

 

・カンボジアでの薬剤入手経路

 カンボジアでも薬剤の入手経路も日本と同じです。但し、日本では医師の指示の元でしか入手できない薬もカンボジアでは薬局で購入できます。薬局の店員さんにどんな薬が欲しいのかを伝えることで沢山ある薬の中から薬剤を選んでくれ、薬品代だけ支払えばいいので病院を受診するよりも安価な場合もあります。カンボジアでの薬剤の入手はメリットばかりのように思いますが、たくさんのデメリットも持ち合わせています。

 

2.カンボジアの薬局のメリットとデメリット

 ◆メリット

・病院を受診せずに薬が入手できる。

・安価で済むことがある。

・1錠単位で薬を購入することができる。

 

 ◆デリット

・店員は医師ではないため誤った薬を処方することがある。

・診察や検査をしていないため本当に正しい薬剤を選択できているのかわからない。

・製薬会社がはっきりしていないものや偽物の薬も多く存在する。

・副作用が出たときに対処できない。

・日本の規格とは違う薬剤が多く、薬理作用が出やすい。

・日本では採用されていない薬が多く存在する。

・安易な抗生物質等の使用による耐性菌が付きやすい。

 

3.持病をお持ちの方

 高血圧や高脂血症や糖尿病などの持病があり、どういった方法で同じ薬を入手すればいいのか等お悩みの方もいると思います。定期的に日本に帰国して病院を受診し、内服薬を入手している方もいます。カンボジアの薬局でも同様の内服薬が手に入る場合もあります。しかし、前述同様日本の薬とは規格が違ったり、偽薬の使用で期待する効果が得られなかったり、副作用が強く出てしまうといったことも考えられます。また、疾患によっては定期的な検査を行い、その都度薬剤の調整が必要な場合もあるため、医療機関を受診して適切な内服薬を入手することを推奨します。

 

4.おわりに

 カンボジアでの薬剤は簡単に入手できますがそのデメリットも正しく理解しておく必要があります。当院では総合感冒薬や胃腸症状、二日酔い等様々な症状に合わせた薬を常備薬セットとして、患者様に提供しています。また、持病がある方にも事前に連絡をいただくことで日本製の薬品を取り寄せたり、疾患に応じた定期的な検査と治療を行うことも可能です。日本とは異なる衛生状況や医療環境で、健康の保持増進を行っていくためにも適切な薬を選び、適切な医療を受けることが重要です。病気や薬について等、相談やご質問あればお気軽にお問い合わせください。

 

 

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14 July 2018
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カンボジアでのワクチンの基礎知識

上下水道環境、衛生環境が整備されていないカンボジアは日本での環境と異なるため様々な病気の罹患率が高くなります。狂犬病や破傷風を例として、これら病気は発症すれば死に至るものも少なくはありません。こうした病気から身を守るために重要なのがワクチンの接種です。ワクチンは「打てば病気に罹患しない」、「発症した場合でも重篤化しない」ということを目的としています。また、ワクチンは一度打てば永久的に抗体を獲得できるというわけではなく、一度獲得した抗体でも約5年程度で抗体価が消失または低下します。しかし、追加でワクチンを接種することで抗体を再獲得することが出来ます。今回はワクチンで予防できる病気についての基礎情報と必要予防接種回数、その費用について説明します。

 

 

―ワクチンで予防できる病気とその症状―

 ・破傷風
 破傷風は土壌の至る所に存在している破傷風菌が傷口から体内に侵入することで感染します。カンボジアで多発しているバイク事故やひったくりによる転倒等で土壌にいる破傷風菌に傷口が曝露される可能性があります。発症後の死亡率は成人で15%~60%、新生児は80%~90%です。破傷風の特徴的な症状は痙攣や開口障害、嚥下困難、重症例では呼吸筋の麻痺等の症状を呈します。治療法としては免疫グロブリン療法やワクチンの曝露後接種が挙げられます。

・A型肝炎

 A型肝炎は汚染された飲料水や食物から感染する病気で、上下水道環境が整備されていない東南アジア、アフリカ、中南米に広く存在します。発症すると倦怠感、嘔吐などの消化器症状、肝機能低下による黄疸が症状として現れます。A型肝炎が重篤化することは珍しく、多くは一過性の急性肝炎症状で終わり、治療後は強い免疫を獲得します。現在日本では60歳以下の人々は抗体保有率が低いということを理由にワクチン接種が推奨されています。

・狂犬病
 狂犬病は発病すればほぼ100%が死亡する病気で、イヌだけでなくキツネ、アライグマ、コウモリなどの動物に咬まれることによって感染します。毎年世界中で約5万人の死者が出ており、その95%はアジアとアフリカで発生しています。罹患動物に噛まれた場合の治療法としては破傷風と同じく免疫グロブリン療法やワクチンの曝露後接種が一般的です。

・日本脳炎
 日本脳炎は、日本脳炎ウイルスを保有する蚊に刺されることによって起こる重篤な急性脳炎です。死亡率が高く、後遺症を残すことも多い病気です。流行地はカンボジアを中心に東アジア、南アジア、東南アジアです。症状としては40℃を超える高熱、下痢、嘔吐、意識障害、痙攣等が挙げられます。一旦脳炎症状を起こすと死亡率は20~40%と高い割合で、回復した場合でも半数程度は重度の後遺症が残ります。治療薬はなく、症状に応じた対症療法が行われます。

・B型肝炎
 B型肝炎は血液を介して感染し、性感染症・輸血・臓器移植・入れ墨・母子感染が主な感染経路として挙げられます。B型肝炎は一過性感染と持続性感染の2つに大別され、どちらの場合もワクチンで予防することが出来ます。症状としては易疲労、発熱、食欲不振、黄疸等が挙げられます。治療法としては投薬療法ですが、慢性肝炎に移行しないよう適切に治療することが必要です。

・腸チフス
 腸チフスはサルモネラの一種であるチフス菌によって引き起こされ、感染源は汚染された飲料水や食物です。カンボジアをはじめとした東南アジア、中南米やアフリカなど衛生環境の整っていない地域で多発しています。主な症状としては下痢、嘔吐、高熱、頭痛、関節痛で、重症例では腸内出血や腸穿孔、胆嚢炎や肝機能障害を伴う場合もあります。抗菌剤投薬療法と対症療法をあわせで治療していくことが有効とされています。


―ワクチンの摂取回数と値段-

ワクチン名

必要予防接種回数

抗体持続期間

当院での1回の予防接種価格

日本での1回予防接種平均価格

破傷風

3

5

10

35

A型肝炎

3

5

67

70~80$

狂犬病

3

2

20

120~150$

日本脳炎

1

5

50

60~70$

B型肝炎

3

5

20

50~80$

腸チフス

1

3

20

100

※予防接種未経験者を基準とした必要予防接種回数を記載
※日本での価格は大まかな値であり、同価格とは限りません


 ワクチンは抗体を獲得するために数回接種が必要なものもあります。また、幼少期にワクチンを接種していることでも接種回数は異なってきます。金額については日本で接種した場合も保険適応はなく全額自己負担です。例えば、日本では破傷風のワクチンを3回接種するのに105ドルですが当院で予防接種を行うと3回で30ドル。狂犬病の予防接種を日本で行うと360~450ドルの費用がかかるところがカンボジアでは60ドルです。日本で接種した場合とカンボジアで予防接種をした場合の価格差はひとつのワクチンに付き70~400ドル程度ということになります。この価格差は、衛生環境が整っている日本ではこうしたワクチンの需要が低く、海外から輸入に依存していることが多いということが理由のひとつとしてあげられます。

―おわりに―

 予防接種に対する基礎知識がないことでにワクチンの副作用を懸念して接種に至らないという方がいるのも事実です。しかし、現在のワクチンでは生きているワクチンではなく不活化ワクチンが開発され、副作用が少なく安全性の高い予防接種を行うことが出来ます。日本とは異なる衛星環境下で自身とその家族の命を守っていくためにもこうした予防策を行っていくことが重要です。予防接種やその他健康問題に対するご質問はどうぞお気軽にご連絡下さい。

 

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14 July 2018
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カンボジアで体調不良やケガ!さてどうする?

-海外旅行保険の内容と利用方法について-

 

カンボジア在住の方、海外出張が多い方であれば体調不良や食あたり、現地でのケガなどを一度は経験したことがあるのではないでしょうか。そのような病気や不慮の事故の時に役立つのが海外旅行保険です。いざという時のために今回は海外旅行保険の内容と利用方法について説明します。

 

◆海外旅行保険について

カンボジアで海外旅行保険(補償内容の治療費用の項目が該当)を利用する場合、

ふたつの方法があります。

ー保険会社が設けている海外旅行保険ー

 日本からの出国前にご自身で加入する必要があります。治療の補償額は1000万円から無制限と各種あり、長期ですと出国日より1年間、さらに延長も可能です。保険料は保証内容や期間、保険会社によって異なり、1年間18万円から30万円程度です。補償額が大きく保障期間が長いため長期滞在者に最適な保険です。ただし、歯科疾患や日本出国以前から患っていた病気やケガなどの既往疾患、予防接種は対応不可となっています。

また、保険会社が設けているほとんどの海外旅行保険ではキャッシュレス治療サービスを受けることができます。このサービスは、病気やケガの場合、旅先でも現金不要で治療が受けらます。そのため、十分な現金を持っていなくても安心して医療を受けることができます。

当院では、各種保険会社の海外旅行保険のキャッシュレス対応を行っています。保険証券とパスポートをご持参ください。


 -クレジットカード付帯の海外旅行保険-

 お手持ちのクレジットカードに海外旅行保険が付帯している場合があります。クレジットカードの種類により、さらに自動付帯と利用付帯とに分かれます。まずはご自身のクレジットカードが海外旅行保険に対応しているか確認してください。

(自動付帯)
 クレジットカードを持っているだけで治療費用の補償が受けられる

 (利用付帯)
 ツアー料金や航空券、公共交通サービスの費用の支払いにクレジットカードを利用した場合、治療費用の補償が受けられる

一般に、クレジットカードの付帯保険の保証対象期間は出国から90日間、補償額は100~300万円程度です。利点は別途保険料を払わなくてよいため、事前の手続きが不要です。前述同様、カード付帯の海外旅行保険でも歯科疾患や日本出国以前から患っていた病気やケガなどの既往疾患、予防接種については対応不可となっています。クレジットカードの種類によりキャッシュレス対応を行っています。

当院ではカード付帯の海外旅行保険も取り扱っています。ご利用の場合、受診の前にご自身で保険会社またはカード会社へ連絡を行い、海外旅行保険に対応しているかので確認と、受診の際に必要なパスポートやクレジットカードなどの書類の確認も行ってください。

 

◆もしも海外旅行保険に加入していない場合

 日本の公的医療保険(国民健康保険や全国健康保険協会など)に加入していれば海外で支払った医療費の一部が支払われます。

 海外で海外旅行保険に加入していない、クレジットカード付帯の海外旅行保険が使えない場合の医療費は全額自己負担となります。もし日本の公的医療保険に加入していれば、「海外療養費」の制度を利用することができ、海外で受けた治療費の一部が払い戻されます。ただし海外療養費の支払い額は海外で受けた治療と同様治療を、日本で行った場合にかかる予想金額の7割が還付されます。一般的に先進国のような医療水準の高い国で治療を受けた場合は、自己負担が高くなります。カンボジアにおいても治療内容により、自己負担が高くなる場合があります。

 

-日本の医療保険の利用方法-

海外旅行費の申請方法は、帰国してからご自身の加入している公的医療保険に申請の手続きをします。

当院では日本の医療保険の書類作成に対応していますので、受診前に必要書類をご用意ください。これらの書類は各保険機関のウェブサイトから印刷することができます。受診にかかった医療費は全額自己負担となりますが、日本に帰国してから、各種保険機関の窓口で各種書類、医療費の領収書、パスポートなどを提出し払い戻しの手続きを行ってください。

 

おわりに

海外で病院にかかる時には、現地の病院によっては海外旅行保険の取り扱いがない場合もあります。スムーズに受診できるように、イザという時のために保険を利用できる医療機関や、ご自身の保険の補償期間や内容を事前に確認しておくことが大切です。海外旅行保険やその他健康に対するご質問はどうぞお気軽にご連絡ください。

 

プノンペン生活情報サイト「ポステ」に掲載していただきました。

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14 July 2018
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カンボジアでかかりやすい感染症について

 

-カンボジアの生活で心がけること-

カンボジアは衛生事情が整っておらず、日本に比べると劣悪です。プノンペンは6月に入ると、雨季のシーズンも本格的となります。1日に数時間雨が激しく降り、排水状態も整っていないため、道路に汚水を含んだ水溜りが所々にでき衛生状態も悪化します。またプノンペン市内の上下水道の浄化施設は改善されているものの、配管や施設の管理は未だ十分ではありません。よって水道水の飲水やローカル屋台などでの食材や食器の管理の衛生状態にも注意が必要です。今回はカンボジアで特徴的な感染症について、さらに感染しないために日常生活で気を付けることについて説明します。

表1 カンボジアでかかりやすい感染症(日本内科学会雑誌11月号より一部引用)


感染経路


生活上の注意


感染症


主な症状


途上国における1ヶ月の推定罹患率


ワクチンの有無


飲食物から感染


ミネラルウォーターを飲む


加熱した料理を食べる


旅行者下痢症


 


下痢


嘔吐


20-40%


 


 


 


A型肝炎


発熱、黄疸、全身倦怠感


0.03%



 


 


腸チフス


発熱、腹痛


0.02%



蚊に媒介


皮膚を露出しない


昆虫忌避剤を塗る


殺虫剤を散布する


マラリア


発熱、悪寒


1.1%


 


 


 


デング熱


発熱、発疹


1%


 


飛沫感染


手洗いやうがい


人ごみを避ける


インフルエンザ


発熱、咽頭炎


1%



性行為で感染


不特定の性行為を控える


医療行為にも注意


B型肝炎


発熱、黄疸、全身倦怠感


0.004%



 


 


HIV


 


発熱、リンパ節腫脹


0.002%


 


動物から感染


動物に近寄らない


狂犬病


恐水発作、けいれん


0.4%



傷口から感染


傷口を消毒する


破傷風


口が開かない、けいれん


データなし


 

飲食物から感染

-旅行者下痢症-    

経口感染によって下痢、腹痛、嘔吐、発熱が主な症状が生じ、細菌による感染性胃腸炎(チフスも含む)とウイルスによる感染性胃腸炎によるものや、各種の寄生虫、原虫、アメーバ赤痢などがあります。

-A型肝炎-

A型肝炎は汚染された飲料水や食物からの経口感染によって、倦怠感、発熱、黄疸(目の白い部分が黄色になる)などの症状が出ます。治療は安静、対処療法と抗ウィルス薬の投与がありますが、いちばんの予防策はワクチン接種です。

-腸チフス-

チフス菌がついた飲食物から感染する細菌性感染症です、主症状は発熱と腹痛ですが、消化器症状がない場合もあります。ワクチンの予防接種を推奨します。

予防は、飲料水、飲み物、食べ物に常に注意をすること 

 

蚊に媒介 

-マラリア-

マラリアはハマダラカ(おもに夜間に活動)の媒介によって感染します。プノンペンではマラリアにかかる心配はほとんどありませんが、アンコールワットの奥地やタイ、ベトナム国境などの森林地帯は注意が必要です。熱が続き、2~3日目には診断が可能で、早く抗マラリア薬を飲むと効果があります。

-デング熱-

デング熱はネッタイシマカ(日中に活動)の媒介によって感染します。突然の高熱、関節痛、頭痛が起きる症状が3~4日続いた後、4、5日目に発疹や出血斑が出ることがあります。治療は対処療法となり、血小板が急激に減少するデング出血熱となると死亡することもあります。

予防は蚊に刺されないこと、長そで長ズボンの着用や虫除けスプレーを使用する

 

飛沫感染

-季節性インフルエンザ-

インフルエンザは南北半球では冬、熱帯では1年中発生しています。カンボジアは赤道近くに位置し南北半球の冬の時期に合わせてインフルエンザの罹患率が高くなっています。1年に2回のワクチン予防接種を推奨しています。

予防は手洗いやうがいを行うこと、人ごみを避けること

 

 

性行為で感染

-B型肝炎-

 B型肝炎は血液や体液からの感染によって、倦怠感、発熱、黄疸(目の白い部分が黄色になる)などの症状が出ます。治療は安静、対処療法と抗ウィルス薬の投与がありますが、いちばんの予防策はワクチン接種です。

-HIV-

HIVは精液や血液を介して感染し、カンボジアでは急速に広がってあり、主に性行為によるものです。接触後に不明な持続する熱やリンパ節の腫れなどの症状が出てきます。

予防は不特定の性行為を控えること、医療行為でも注意が必要

 

動物から感染

狂犬病狂犬病は発病すればほぼ100%が死亡する感染症で、イヌだけでなくキツネ、アライグマ、コウモリなどの動物に咬まれることによって感染します。ワクチンの予防接種が有効ですが、万一、狂犬病にかかっているおそれのある動物に咬まれた場合には、追加接種が必要になります。

予防は動物に近寄らないこと、触らないこと

 

傷口から感染

破傷風は土壌のいたる所に存在している破傷風菌(神経毒素)が体内に侵入することで感染します。カンボジアで多発しているバイク事故やひったくりによる転倒等で、傷口が破傷風菌にさらされ感染する可能性があります。破傷風の特徴的な症状としては、口が開かない、けいれんなどです。ワクチンの予防接種が有効ですが、万一、発症した場合には、追加接種が必要になります。

予防は傷を負ったら傷口を消毒すること

カンボジアでは日常生活で予防策を図っていても、感染症にかかるリスクは高くなります。

いつもと体調が違ったり、症状がある場合には早めに医療機関へ受診してください。

 

 

プノンペン生活情報サイト「ポステ」に掲載していただきました。

https://poste-kh.com/life-tips/cambodia-disease-190

 

 

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